川内原発再稼働についてのパブコメ文例

これまで川内原発再稼働に反対について吉田調書と、「原子力規制を監視する市民の会」のパンフレットをもとに書いてきたのをまとめました。

再稼働反対の理由はいくつもあるでしょうから、東京新聞にも参考になるような記事がでていますので、一度に書かなくても、何回かにわけてパブコメを出せばいいと思います。

推進派もたくさん出しているでしょうから、
私たち反対の側が提出しないならば、賛成派の意見だけになってしまい
それこそ、『国民の意見を聞いた』として利用される結果になってしまうでしょう。
頑張って提出しましょう。
以下文例です。参考にしてください。
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川内原発の再稼働に反対します。
 
(1)
巨大噴火により火砕流原発を襲うおそれが解消されていない。
 
川内原発周辺には巨大なカルデラ火山が林立する。
これら巨大火山では、数万~十数万年おきに巨大噴火が発生しています。
川内原発から約 50 キロにある姶良カルデラは、桜島を含む錦江湾全体が一つの巨大な火山になっており、巨大噴火による火砕流原発を襲うおそれが解消されていません。
川内原発の適合性審査を実施している原子力規制委員会の委員と原子力規制庁の職員の中に火山の専門家は一人もいない。
火山学者抜きの審査会合の場では、原発の運用期間中に巨大噴火が発生する可能性についての検討ができるはずがありません。
 
姶良カルデラは前の噴火から約3万年、阿多カルデラも約10万年が経過しており、両カルデラのある錦江湾の地下にマグマがたまっているというのは火山学者の常識です。
そろそろ何かの兆候があっても不思議はないと言っていますが、審査会は火山についてはほとんど無視しています。
川内原発の運用期間中に、設計上対応不可能な火山事象である巨大噴火による火砕流原発を襲う可能性が十分に小さいとはいえません。原子力規制委員会は、火山影響評価ガイドに従い、川内原発を立地不適とすべきです。
 
(2) 
巨大噴火の兆候の把握は不可能
 
地中海のサントリーニ火山はマグマの供給が噴火直前100年の間に急速になっており、マグマの供給速度が大きくなれば、それにより地殻変動のスピードも変化するから、その変化を捉えれば約 100 年前に噴火の兆候を捉えることができるといいたいようだが、サントリーニ火山と姶良カルデラの噴火が同じ状況である保証はない。
カリフォルニアのロングバレー火山はマグマの供給が3000年かかる可能性がある。
火山には個性があり、噴火の仕方は違うとみるのが当たり前だと火山学者は指摘。
巨大噴火の兆候の把握は不可能である。
巨大噴火の兆候という立地の可否にかかわる重要な調査を九州電力に任せているというのも問題。
火山噴火の兆候を「適合性審査とは別に」を強調していますが、火山影響評価ガイドが要求する巨大噴火の兆候把握時の対応について、原子力規制委側の判断基準がないもとで、事業者の判断基準の妥当性を先に審査してしまうのはどうしても納得できません。
少なくとも審査の結論を出す前に、火山についても警告を発している火山学者を含めて、有識者会合を開催すべきです。
 
 
(3)
火山灰の影響を過小にみている。
 
火山灰の影響評価は、九州電力は「運用期間中の噴火規模を考慮し、桜島における約12,800 年前の「桜島薩摩噴火」による火山灰等(層厚15センチ)を想定」しています。
総じて「桜島薩摩噴火」の影響を過小にみているのではないか。マグマの噴出量での比較では、姶良カルデラの巨大噴火の10分の1 規模ですが、近年、日本で観測された最大規模の噴火である桜島の大正噴火の10倍です。
九州電力のシミュレーションでも、火砕流が約30 キロの範囲に及びます。鹿児島市街は全滅です。被害が及ぶ前に、人の避難が最優先されるでしょう。噴火の規模や時期が予測できない中で、45人体制で除灰などしている場合でしょうか。原発の運転員や作業員の避難はどうするのでしょうか。
「兆候把握時の対処方針」に欠けているのは、人の避難です。
噴火の規模や火砕流の到達距離などは後からわかることです。兆候が把握されたら、人的被害を防ぐために、原発を早急に無人状態にする必要があります。このようなことが果たしてできるのでしょうか。
 
(4)
命の危険に直面したとき人間は逃げるということが想定されていない。
 
新規制基準は、地震津波対策、重大事故対策(フィルターつきベント装置)事故時の司令塔となる緊急時対策所、電源車やポンプの配備、航空機墜落などのテロ対策などですが、
それを操る人間が逃げ出したときの想定はありません。
再稼働に向けての新基準は、福島原発事故の教訓を踏まえて作られたというが、吉田調書を規制委員会の田中委員長も読んでいないという。
福島原発事故では、吉田所長の命令に反して9割の職員が逃げ出したといいます。
どんな対策をしても、どんな立派な建物作っても、原発事故が起きたとき、逃げる人間がいるということを考えた対策をとらないといけません。
新規制基準には、一番大切なその対策がなされていません。
日本人が初めて経験した原発の過酷事故の重要な資料である吉田調書をだれも読まずに適合審査に合格を出していることに納得できません。
 
 
(5)
避難経路の整備がまだされていない。
 
川内原発周辺の避難経路もまだ整備されていません。
原発周辺市町村は、昨秋から原発ごとに国や道府県とワーキングチーム(WT)で協議しているそうですが、川内原発の30キロ内に含まれる鹿児島市はWTで「避難道整備に財政支援がないと、整備が進まない」と財政支援を求めているということではないですか。
福島原発事故に何も学ばず経済優先で、住民の命を軽んじた判断としか思えません。
何度も言われていることですが、再稼働より、福島原発事故の全容解明が先ではないですか。
それが再稼働の前に、放射能で地球を汚した日本がやるべきことです。



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