<集団的自衛権と憲法> ふじさわ9条の会10周年のつどい 孫崎享さんの講演(1)

4月29日はふじさわ9条の会10周年のつどいで、孫崎享さんの講演がありました。
400部用意した資料が足りないほど多くの人が孫崎さんのお話を聞きにきました。
 
孫崎さんのお話はふじさわ9条の会のHPに動画がアップされていますので、ぜひ、聞いてください。
1時間20分近くのお話でしたが、あっという間でした。 動画↓
ここでは動画を聞く間のない方、どんなお話なのかちょっと知りたいという方のためにテープ起こしをしたものを載せます。ところどころ略している箇所がありますが、ほとんど載せています。
(チラシは拡大マークをクリックしたら大きくなります)
 
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日本は危機的状況にある。
戦後、こんな危機を日本が迎えたことはない。
集団的自衛権自衛隊を海外におくる
TPPで国家の主権を失おうとしている。
原発の再稼働しようとしている
秘密保護法を通している。
消費税は値上げをして
年金とか、医療費とかはどんどん少なくなっている。
 
こんな日本が来るとは多くの人は予想しなかった。
 
2013年 12月23日 天皇陛下は80才の誕生日を迎えられました。
そして、そこで次のようにおっしゃった。
<戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。>
 
12月23日に「天皇陛下が平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法を作った」というご発言をしたことを知っている人は? 
今日はたくさん、おいでになります。普通はそんなにおいでにならない。
 
今、なぜ、この発言をされたかということが重要。
いろんなところで講演しているのですが、ご存知のない方が多いのですが、
 
NHKのニュースでは
ここでは「平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法を作り」の部分を省いた。
 
 だから、意識が高い人をのぞいて、ふつうの人に聞かれると、天皇陛下がそういう発言をされていることはあまり知られていない。
 
朝まで生テレビでは、私がかちゃかちゃに攻撃されている。
先週の金曜日に出たんですけど、
一番最初にこの天皇陛下の発言から入った。
あの番組はだいたい右の人たちが見ている。ネトウヨがみていて、だいたい孫崎けしらかんと出るのですが、
今回は、かなりの人が憲法を直すのに反対。
集団的自衛権に反対。
かなり日本の国民は違った感じになってきている。
 
私は天皇陛下の言葉をもうひとつ引用するんですが、そうすると時に、
孫崎さん、なんで天皇陛下の言葉ばかり引用するのか
あんな特権を得ている人は民主主義の精神に反するじゃないですか、と言われます。
天皇制がどうあるべきかは別にして
日本はものすごく大変な危機なのです。
いろんな人と手を結んでこのれをとめないといけない。
憲法9条を守るというグループだけでは実行できない。
自民党支持者の人たちの中でもそんなことはおかしいという人と連携していかないといけない。
右や左と言ってる時期ではない。
右といえば、私がよく対談しているのは、一水会の鈴木くにおさん。
彼も同じ思いだと思う。右だとか左だとか言ってる場合ではない。
この国は危機に瀕している。
手をつなげる人と手をつないでいこう。
 
天皇陛下は、今年、新年にあたり天皇陛下のご感想が発表された。
「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,<A>を十分に学び,<B>を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」
最近はクイズ番組が多いものですから、
この機会にを十分に学び、を考えていくことが極めて大切なことだ。
Aがなんであるかおわかりになる方?
Bがなんであるかおわかりになる方?
Aとは 満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び
Bとは 今後の日本のあり方を考えていくことが、今、きわめて大切なこと。
 
今の時代は、第二次世界大戦の前と同じではないか。
その危機意識をもって、私たちは、将来を十分に考えていくべきではないか、とおっしゃった。
 
今、こんなことを言える人がいない。
言える人はいるけど、表には出てこない。
しゃべった、がしゃがしゃにやられる
さすが安倍政権は天皇陛下までは手を出そうとしていない。
             
           <略>
 
第二次世界大戦で日本人は何人亡くなっただろうか・
50万人?100万人? 150万人?200万人? 250万人?
300万人? 310万人。
公式には310万人と言われている。
 
310万人が亡くなった。
今、10人殺すような政策をやったらその首相は糾弾されるけど、310万人殺したこの政権に対する責任はどのくらい追及されただろうか。
戦後を見直すということ、戦中を見直すということだったら、安倍さんは岸信介の戦争責任も考えなければならない。
彼はあのとき、大臣だった。
戦争に賛成した。
310万人、亡くなることに岸信介は責任がある。
もし、第二次世界大戦を考えたいというなら安倍首相は岸信介の責任も考えないといけない。
 
あのとき、日本はなんで、どういう理屈で戦争に入ったのか
8月、連合国側は日本への石油の供給を止めた
石油が必要だったから戦争しなければならなかった、ということなんだけど、
このとき、アメリカの国務省次官補だった人が、われわれを攻撃したら日本は破壊的な結果になることは少し、頭を使えば、どんな日本人でも理解できることだ。
米国の戦略研究所の所長さんは、日本が1941年に下した米国攻撃の決断は、まったく合理性に欠き、ほとんど自殺行為だった。
アメリカは日本の10倍の工業生産をもっていた。
もちろん日本がアメリカ本土を攻撃することはできない。
そんな国と戦った日本は勝算があると考えたのだろうか。
太平洋方面で我が国と闘ったら負けることは明らかだった。
日本が我が国と闘うと決めた歴史的事実を彼らはどう説明していたのだろうか。
 
310万人が殺された
アメリカと戦争したらどうなるか
そのとき、どういっていたのか
不思議にみんなしらない。
こんな重大なことをみんなしらない
あのとき、責任ある人がなんといって戦争をしたのか。
石油がほしい とりにいったら殴られるのはきまっていた。
殴られたらどうなるか。日本は壊滅する。
そういうことがわかっていたのに、なんて言って戦争したのか。
 
 知っている人手をあげてください。
これが日本の歴史教育
一番重要なことは考えさせない。
年号を覚えるより、なんで太平洋戦争をおこなったのか、それを学ぶことの方が重要。
 
1958年8月15日トルーマン大統領は、空襲がどうなったかということで日本で被害を調査した。
そのときに、日本側の考え方 いろんな人にインタビューすると
結果的に言っていたのは、「民主主義国家としての米国は強烈に抵抗する日本軍による大損害と連合国の脱落で、米国は全面的攻撃を維持できないそして米国は妥協し、日本の占領を許す。」
これがそのときの日本全体の人たちが共有していた考え。
 
第二次大戦のとき、トルーマン大統領はナチと日本の軍部を地上からなくさないといけない。そのために戦争する、と言っていた。
ところが、日本の本土では2年間頑張れば、米国は民主主義国家だから戦争に疲れて、もうやめようという。そのとき、日本はもっているものをそのまま維持できる。だから戦争しよう、と言った。
これが日本中を覆っていた。
嘘なんです。
嘘と詭弁で第二次大戦にいった。
嘘と詭弁で日本政府は間違った方向に行った
嘘と詭弁を新聞はがなりたてた。
そして嘘と詭弁を日本国民は受け入れた。
 
それはまさに今と同じではないですか。
略)
 
戦争責任者の問題という論文
日本人全体が互いにだましたりだまされたりしていた。(略)
新聞報道の愚劣さや、町会、隣組、警防団、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心にかつ自発的にだます側に協力したか。
専横と圧制を支配者に許した国民の奴隷根性とも密接に繋がる。
我々は、いま政治的には一応解放された。しかしいままで、奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて、彼らの跳梁を許した自分たちの罪を真剣に反省しなかったならば、日本の国民というのもは永久に救われるときはないであろう。
「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるであろう。
 
今、まさにその時代です。
何度でも騙される時代にはいってきた。
われわれはどうしたら騙されない人間になれるのか、ということを考えることが一番重要なことなのではないか。
細かいデーターはいっぱい用意してますから、説明しますけど
重要なことは私たちがどう生きるか、じゃないかと思う。
  <(2)に続きます。→ http://blogs.yahoo.co.jp/mknony0623/19997326.html >                
 
全文は載せきれませんので、ふじさわ9条の会のHPから動画を見てください。
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