橋下発言と育鵬社の教科書

橋下氏は自分の発言を誤報だとか、一部しか報道しなかったとか、発言の報道に問題があるという風に逆ぎれしていますが、実際に彼が発言したのは以下の動画の通りです。
5月13日午前の会見から(1分7秒あたりから)↓
 
最初のころはテレビのニュースで橋下氏の生の声が流れていたし、彼自身、最初のころはツイッターで「発言を比較的正しく引用してくれた」と言っていたそうなのですが、予想外に批判を浴びてきたので、マスコミを攻撃しているのだと思います。
マスコミもきちんと橋下氏に反論すればいいものを、どの記者も強いものには弱腰。それが今のマスコミです。
 
橋下発言について、
橋下氏は、慰安婦制度は外国でもやってたのに、日本だけ批判されるのはおかしい、と言っています。
橋下氏のこの発言を聞いて、育鵬社の教科書の記述を思い浮かべました。
育鵬社の歴史教科書の「戦時国際法戦争犯罪」の項です↓。写真の右下にカーソルをあてたら大きくなりますので、もう少し読みやすくなると思います。
 
イメージ 1
 
見にくいかもしれませんから その一部を書きだします。
戦時国際法戦争犯罪の15行目。
「しかし、二つの世界大戦を通じて、このルールはしばしば破られた。実際には、戦争で、非武装の人々に対する殺害や虐待をいっさいしなかった国はなかった。日本軍も、戦争中に侵攻した地域で、捕虜となった敵国の兵士や非武装の民間人に対しての不当な殺害や虐待をおこなって多大な惨禍をのこしている」
 
ルールが破られたことを先に書き、このルールを守った国はどこもなかった。だから日本も守らなかった・・・というような書き方をすれば、
育鵬社のこのような書きようによっては日本軍の行ったことを見過ごしてしまう生徒もいるかもしれません。
よその国もみんなやってたことだから日本が民間人を虐殺しても仕方がなかったのだと中学生に教えるつもりなのでしょうか。
外国は外国の国民がそのことをそれぞれ反省すべきで、日本人は自国の軍隊が戦争中に行ってきた事実をしっかり知るべきで、そこから戦争というものが人間を狂わせ、人間を狂気に走らせるものであるということを教えないといけないのです。
 
慰安婦問題についても同じだと思います。
橋下氏はどこの国でもやっていたことだから仕方がなかったことだ。朝鮮戦争でもベトナム戦争でも慰安婦はいた。
どうしてよその国のことをここで引っ張り出すのでしょう。
私はよその国がやっていようが、やっていまいが、日本がやってきたことから目を背けることはできません。
 
そして沖縄の米軍に関しての提案などは言語道断です。
 
戦争は人間から理性を奪います。
だから絶対に戦争はいけない。戦争は人間を壊すものなのです。
だから私たちは戦争に反対し、「陸海空軍、その他の戦力を保持しない」と掲げる憲法9条を守っているのです。
武力やアメリカに頼るのではなく、平和外交で、国際親善で平和を築いていこうというのが日本国憲法のめざすところです。
 
間違ったことは間違ったことと認めることは自虐的な考えとは違うと思います。
 
ジャーナリスト志葉 玲氏のブログから
「橋下氏の「慰安婦必要」発言にキレたので、本日配信のメルマガを特別公開。出典を明記してくださるなら、転載、転送も歓迎します。 」ということなので、転載させていたきます。