石破自民幹事長もくろむ「軍法会議」 自民党改憲案(9条)を超口語訳で解説

石破幹事長が自民党憲法草案では軍法会議軍事法廷)の設置を盛り込んでいると発言しています。
これは平和憲法に真っ向背反するものだと7月16日の東京新聞は述べています。
 
今度の選挙結果によっては、自民党憲法草案が現実味を帯びてきます。
自民党憲法草案については「自民党憲法草案を読み解く 憲法9条」に詳しく書いてあります。
 
まず憲法9条がどのように変わっていくのか、自民党憲法草案と比べてみましょう。
憲法第二章のタイトルも「戦争の放棄」→「安全保障」に改められている。
 
自民党改憲案をわかりやすく説明するためにブログAfternoon Cafe「自民党改憲案 超口語訳」を使わせてもらいました。(引用元の提示があれば転載は自由ということなので使わせてもらいました)
 
自民党憲法草案   <青字自民党改憲案 超口語訳>
第二章 安全保障  (「戦争放棄」っていうのはや~めた)
第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
 永久にこれを放棄する(現行憲法) → 用いない)
 
侵略戦争や紛争解決のために武力使うのはやめとくわ。
でも自衛や制裁のためなら武力使うよ
(まあ、どの国でも「自衛」を大義名分にして戦争するんだからほとんど意味ない「平和主義」条文だよね)
 
次の条項↓を新たに付け加えた
2.前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
 (自民党の解説では自衛権集団的自衛権が含まれている。)
 
これまで絶対あかんとされてた念願の「集団的自衛権」を解禁したよ。
え?集団的自衛権ってなにかって?
それは、アメリカ様に「今から某国に攻め込むことにした。だからおまえも黙ってついてきて一緒に戦え」って言われたら断らずに(てか多分断れない)ついてって戦闘するってこと。
 
現行憲法の第二項(②前項の目的を達するため 陸海空軍その他の戦力は これを保持しない。 国の交戦権は これを認めない)をまるまる削除 
 
以下は「新たに作った第二項」↓
第9条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
 
「日本軍」復活。
統帥権内閣総理大臣が持つよ
(前条で自衛のための戦争はおk、そのために軍隊を持つっていってるんだから、そりゃ「戦争放棄」という章にはできないね。「現憲法の平和主義を継承する」なんて言ってるけど、本当は全く継承なんかしていないんだよ)
 
国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
 
国防軍が任務遂行するときは国会の承認とか、そのほかの命令に従うよ
 
国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
(→海外で武力行使が可能)
 
日本軍は「国際的に協調して行われる活動」もやるよ。
これは例えばアメリカがやったアフガン・イラク戦争の戦闘地へいって戦うってことも含まれるよ。

「公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動」もやるよ。
政府に反対するデモなんかは「公の秩序」に反するので、これからは軍隊が弾圧するからそのつもりで。
 
④前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
  国防軍の細かいことは法律で決めるわ
 
国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪または国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合において、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
 
軍事裁判所復活
これによって軍事に関することは今の裁判所は関与できなくなるかもね。暗黒の秘密裁判復活だよ
 
この「審判所を置く」について石破自民党幹事長は次のように言っています。
2013年7月16日東京新聞
自民党は同党の改憲草案で、憲法9条変更し、自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は4月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意欲を見せた。「死刑」「懲役300年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とはーー
(写真右下にカーソルをもっていくと、記事が拡大され、もう少し読みやすくなります)
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http://www.youtube.com/watch?v=m2BXY8684cg&feature=youtu.be ←4月21日BS-TBSの番組
 
↑の記事から
国防軍になると具体的に何が変わるか、と問われた石破氏はまず
「(改憲草案に)軍事裁判所なるものを創設する規定がある」と述べた。
「これは国家の独立をまもるためだ。『出動せよ』と言われたときに、いや、行くと死ぬかもしれないし、行きたくないと思う人がいないという保証はどこにもない」から、行かなかったら、その国における最高刑に。死刑とか無期懲役、懲役300年にする。そんな目にあうぐらいなら戦争に行く、と思うだろうから。
怖ろしい憲法になることを若い人たちは知っているのだろうか。
選挙に行く前に、自民党憲法草案を読んでほしい。
 
(領土の保存等)
第9条の三
国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない
(→ 国防への国民の協力 →徴兵制への道
 
領土問題で戦争になったらおまえら国民は、場合によっちゃ最前線で戦うことにも協力しろよ。
それが前文の「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」ってこと。

何故ハッキリと「国民の義務」と定めなかったかって?そんなこと書いたら徴兵制を憲法で規定しちゃうことになるから、みんな警戒しちゃうだろ?
まあ無理矢理徴兵制を憲法で定めなくってもいずれ法律で定めればいいんだし。
 
憲法9条以外にも現行憲法は大幅に改悪されます。
基本的人権を保障した憲法97条はまるまる削除。→ http://blogs.yahoo.co.jp/mknony0623/17930666.html
主権在民基本的人権の尊重 平和主義を掲げた日本国憲法の危機です。主権在民も危ない。
この日本国憲法を失ってもいいですか?
現行憲法を守るのは私たちです。現行憲法の素晴らしさを理解して、この憲法を失わないようにみんなで協力しましょう。
 
どのような憲法自民党は考えているのか、超口語訳の改憲案を読んでみてください。
 
自民党改憲案の超口語訳
 
 
そしていつも憲法9条改正を語るとき、この本をおすすめしています。
「われ自衛隊を愛す 故に憲法9条を守る」(かもがわ出版)1470円
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