どうして救えなかったのか。「検証イスラム人質事件」~対テロ非難決議
昨日の朝、目がさめて時計をみたら8時5分でした。
一週間前と同じころ目が覚めて、あれから一週間たったのか、と思いました。
立ち直れないほどの衝撃を受けて、今もその衝撃が残っています。
悔しくてたまりません。
どうして救うことができなかったか。
ダッカ日航機ハイジャック事件を思いだす方も多いと思います。
あのころは、日本は憲法9条を尊重していました。
国民の命より国家を重んじる国になっていっています。
この一週間のことをまとめてみました。
FBの投稿より
後藤健二さんを救うことができなかった三つの原因。
①ヨルダン政府は自国パイロットの殺害を知りながら「交渉」をすすめ、後藤さんと
死刑囚の交換を拒否した。
②安倍政権は昨年11月、「身代金2億円」の水面下交渉に応じなかった。
③ なぜ「交渉仲介」はトルコでなくヨルダンだったのか?
「日本政府はアメリカとの関係も含め、昨年にさかのぼって、今回の事実経過を検証し、公表する必要があります。
しかし菅官房長官は早くも「他国にかかわること」は公表しないと予防線を張っています。さらに、人質にかんすることは「秘密保護法」の対象にする動きすら出ています。
真実が明らかにされる可能性は、絶望的なほど小さいと言わざるをえません。」
↓動画からの一部書き起こし
ヨルダンの動き 殺害のニュースのあとのヨルダンでの取材
人質事件3つの過ち。
なぜ、人質の命を救うことができなかったのか。 イスラム国の前身の組織に拘束されたスペイン人ジャーナリストの解放交渉をして、成功したヨルダン人弁護士の話。
そのとき、スペイン大使館から交渉依頼があった。人質がジャーナリストで、人道支援をしていることがわかって、そのことを話して交渉した。半年後に解放された。
身代金については明らかにしなかった。
日本人人質事件についても協力する意思を示したが、何の連絡もなかった。連絡がなかったことを残念に思う。
政府の対応に間違いはなかったのか。
イスラム過激派研究の第一人者ハサン・アブハニヤ氏の話。
日本は中東について何も知らない。
三つの重大な過ち
1日本の対応が遅い。すぐに解放に向けて動かなかった。去年の8月に湯川さん、11月に後藤健二さんが不明になっていることを家族からの連絡で知っていた。
基本的には対策本部は作ったが、1月20日の殺害予告まで強化、増員をしてなかった。他の在外公館からの応援はなかった。
犯行グループの特定にも時間を要していた。
日本と中東諸国は長く友好的だった。この関係をこれからも維持。テロ対策などを掲げて中東を訪問することはやめた方がいい。
3.対策本部をヨルダンを選んだ。 トルコの方が確実。トルコは人質の解放に成功した実績がある。
ヨルダンは空爆に参加している。トルコに協力を仰ぐべきだった。
後藤さんとリシャウイ死刑囚との交換は途中まではうまくいっていたとみる。
水面下で何があったか、政府は明らかにしていない。
詳しくは、動画を見てください。
特定秘密保護法適用
<安倍晋三首相は四日の衆院予算委員会で、過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人人質事件をめぐり、関係各国から提供された情報が特定秘密に指定される可能性を認めた。具体的な内容を公表しない考えも示した。>
2月5日東京新聞より↓
やはり都合悪いことはこれに指定する気か。
今、今回の政府の対応を批判するとイスラム国よりの発言といわれます。
言っています。
2月4日の産経新聞。
そこから抜粋↓
<ヨルダンでは、「なぜ2人も殺された日本がともに戦わないのか」という声が高まっているという。日本には憲法の制約があって云々(うんぬん)、と説明してもまず理解されぬだろう。
仇(かたき)をとってやらねばならぬ、というのは人間として当たり前の話である。第一、「日本にとっての悪夢の始まりだ」と脅すならず者集団を放っておけば、第二、第三の後藤さんが明日にも出てこよう。
このような新聞が安倍政権の後押しをしている。
そのような新聞、それに乗った世論を味方に安倍首相は
後藤健二さんが亡くなってまもない2月3日の国会で、憲法9条に関し、「自民党はすでに9条の改正(案)を示している。なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と述べて、改憲の意欲を見せた、と東京新聞は報じています。
↓2月4日東京新聞。
後藤さんたちが拘束されてから何もしなかったくせに、武力で助けられるというのでしょうか。
後藤さんたちの悲劇をも利用して憲法改正をもくろむなんて、怖い政権です。
古賀氏発言I am not Abe.の真意
報道ステーションでの古賀氏の発言がバッシングを浴びていることはお伝えしましたが、
今、I am not Abe.の輪が広がっていっているそうです。
日本は、いつから有志連合に入ったのか、
そんな中で国会は「対テロ非難決議」をしました。
対テロ非難決議
そして、国会は全会一致で「対テロ非難決議」を採択しました。
このような決議の必要があったのでしょうか。
この決議は何を意味しているのでしょうか。
私は、この決議で悪いのはイスラム国で(もちろんイスラム国のしたことは許せないことです。)、政府の不手際に対する非難は黙らせて、国民の目を政府からイスラム国に向けて、政府のミスをもみ消そうとしている、と思えます。
この悲劇を利用してまでも安倍政権は戦争できる国への道づくりをしようとしています。
その対テロ非難決議にただひとり、採決を棄権した人がいます。
山本太郎氏です。
詳しくは上↑のニュースを読んでください。そこからの抜粋↓
山本氏は「テロ行為への非難は同感だ」と語り、決議の一部には賛同する考えを示した。一方で、棄権の理由として今回の事件の検証が必要だとした。
山本氏はインターネットに記者団とのやり取りを公開。取材後は「テロ(対策)の名のもとに国をコントロールしやすくなるような法律づくりが裏で始まっている」と語った。
さらに「(決議案は)与党からのものだ。(与党は)イラク戦争にさかのぼった検証、総括をやりたいわけではないので、その文言を入れたくない。いったい何のための決議なのか。本当にテロをなくそうとしているのか」と述べた。
2015年02月06日 天木 直人
テロ決議のすべてに反対というわけではないが代案を提案したが聞き入れられなかったとして、次の提案をしたことを明らかにしたらしい。
すなわち、
1.人質事件のさらなる検証の必要性 2.イスラム国を生んだイラク戦争の総括の必要性 3.決議案の英訳の必要性 4.特定の国名の削除(特定の国名が入ることで有志連合との距離が取れなくなるからということらしい)
このうち4.については、必ずしも報道だけではよくわからないが、その趣旨が、私が主張しているように、イスラム国と戦っているのは有志連合に過ぎないという実態を、あたかも国際社会全体がテロと戦っているが如き文言を使うのは賛成できない、という意味なら同感である。
この4点はいずれもまともな提案だ。
それが一顧だにされなかったのなら、私でも退席する。
それにしても、この山本太郎の後に続く議員が一人もいなかったことは驚きだ。
なぜだ。
この非難決議をめぐる経緯をメディアは検証して国民に伝えなければいけない。
安倍政権を擁護する自民党議員が起案し、まともな議論もなく衆参両院で急いで全会一致の決議を成立させる。
その事自体が安倍外遊の大失策を隠す見え透いた仕業だ。
山本太郎を見殺しにしてはいけない(了)
事件の検証もできにくい状況になって、今、ジャーナリストたちから次ような呼びかけが起きています。
翼賛体制構築に抗するという「声明」を
↑
この間、テレビ局から野党の党首までもが、政府・安倍批判を「自粛」する動きに出ましたが、きわめてよろしくない流れに入っています。
報道ステーションで政権批判をした古賀茂明さんらが各個撃破の的になっていますが、ここは他番組のキャスター、コメンテーターをはじめ、作家、映画監督、俳優など、言論・表現に携わる人々すべてに、「誰が、どの党が政権を握っていようが、政権への批判や異議申し立てを自粛するようなことをしてはならない、続ける…」旨の意思表示、宣言をしようと呼びかける必要がある>
翼賛体制構築に抗するという「声明」への賛同署名フォーム
↑
この声明に名を連ねる言論人、報道人、表現者の方は以下のフォーマットを使ってください。
言論人、報道人、表現者ではないが、この動きを支持し、応援するという人は↓
海外の報道。安倍政権のミスについて、海外ではしっかり批判している。
憎しみの連鎖に入ってはいけない
そして本日(2月4日)記者会見を開き、「ピースウイング」が中心となり、4月末までに安倍内閣を相手に訴訟を起こす考えを示しました。
松阪市長からのメッセージーーーー
《日本は憎しみの連鎖に入ってはいけない》
後藤さんのかけがえのないいのちが失われてしまったことに心からお悔やみ申し上げます。
ご家族の皆様、これまで後藤さんの人生に関わられた方、そして、日本人だけでなく、世界の多くの皆さんが哀しみのなかに包まれたのではないでしょうか。悔しさもあるでしょう。
日本は長年、平和を愛する国家として、世界の平和を心から希求する国民として、この国で当たり前の幸せのなかで暮らしてきました。
多くの日本人は、世界の貧しい国や戦争の跡地などでも国際貢献も行ってきました。
私も民族紛争の跡地において活動をしてきた経験もあります。
今回のテロ行為に対して、日本が恨みと憎しみで外交を行えば、それもまたテロ行為になります。
アメリカのように軍事的圧力でテロを壊滅させようとする行為は、必ず世界に哀しみと憎しみの連鎖を生み出します。
《アイアムケンジ》の思いは、決して憎しみに憎しみで対応することではないと確信しています。
今回の事件があったからこそ、日本は改めて平和国家への思いを国民みんなで共有していくスタートなのだと思います。
世界の平和に対して、一部の国家の方向性だけに肩入れすることは、憎しみと哀しみの連鎖しか生み出さない《アベノリスク》でしかありません。
戦後70年を迎えるこのときに改めて70年間日本が進んできた温かく優しく柔らかい国民でありたいものです。
いま、安倍総理の《テロリストに罪を償わせる》という発言が入ってきました。
この発想が《アベノリスク》そのものであり、今回の事件も今後の国民の危険も、世界の不安定も生み出すことになりかねないのです。
憎しみと哀しみの連鎖はここで止めましょう。
ここで、憎しみを行動に変えてしまえば、私たちがテロリストそのものになるのです。
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三重県松阪市の山中光茂市長(39)は4日、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定は違憲だとして、自らが代表を務める市民団体「ピースウイング」が中心となり、4月末までに安倍内閣を相手に訴訟を起こす考えを示した。
山中市長は同市内で記者会見し、「平和的生存権が明確に侵害されている。市民生活に与えた不利益について法廷の場で闘っていく」と述べた。市長としてではなく、個人として原告に加わるという。