<集団的自衛権と憲法> ふじさわ9条の会10周年のつどい 孫崎享さんの講演(4)
孫崎さんのお話はふじさわ9条の会のHPで動画を見ることができます。↓
ここでは動画を見る間のないかたのために、テープ起こしをして書いています。
ところどころ略している箇所がありますが、ほとんど載せてあります。
TPPについて
私たちにとっていろんな動きの中で一番深刻なのはTPPだと思う。
TPPというのは国家主権がなくなる。
それはちょっとないだろう・・・・
それはどういうシステムかというとISD情報というのがある
IはInvester 投資家
S はState 国家
D はDispute (言い争う)
どういうことかというと、
投資家が投資をしたときにこれくらいの利益が得られるだろうと思って投資をしても
相手国の裁判や、行政指導で利益が得られなかったときは、相手国を訴えることができるという制度。
アメリカの産業廃棄物の会社がメキシコに出ました。営業許可をもらった。
しかし、産業廃棄物から汚染水がでてきて、その汚染水に有毒物質がはいっていて、それが地下水に流れ、その周辺にいた人たちがその水を飲んで病気になって、それを知ってメキシコの地方公共団体は営業を止めた。
細かいことは別として
この止めたという措置は正しいでしょうか、正しくないでしょうか。
正しいと思う人、手をあげて。
正しくないと思う人、手をあげて。
ほとんどの人が正しいと思っている。
これでメキシコ政府は7000万ドルの賠償金をとられた。
期待する利益がとれなかったから。
ISD条項の怖いところは、国際司法裁判所の裁判官は、国連で承認されているが、
ISD条項の裁判官はだれかわからない。
アメリカの企業の弁護士がローテンションで裁判官になっている。
ISD条項はアメリカの主権も侵すことになると言っている。
今はアメリカは勝っているから心配じゃないと言っている人がいるが、そんなことではないと言っている。
国の主権がなくなる。
びっくりしたのは稲田さん。
稲田さんは右翼っぽいことを言っていると思っていたら、
2012年にISD条項で国家の主権が侵される可能性がある。こんなことを進める民主党はなんだ、と言って攻撃していた。
今はどうしているか。
ここが今の日本の一番の問題。
政治家は自分の主義主張で行動しない。
学者も行動しない。北岡という有名な人がいる。
今、歴史認識の問題の座長。
彼は日本が戦争に行ったは侵略と言った。侵略という言葉を使わないといけないと言ったのに、一か月くらいしてそれを言うのをやめたと言った。
重要なことは、日本の社会において、正しいということを正しいと言える国にしなくてはいけない。
こんなセリフを昔は全く言う必要はなかった。
(略)
重要なことは今、日本の社会は、本当に危機的な状況にきている。
最近、よく引用するのですが
マーティン ニーメラーという人がいる。
この人は、ドイツの宗教家。
この人がナチのときにつかまった。
この人の1946年の演説が基調になっているが
彼らが最初、共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。
私は共産主義者でなかったから。
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。
私は社会民主主義ではなかったから。
彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。
私は労働組合員ではなかったから。
彼らがユダヤ人を連れていったとき、私は声をあげなかった。
私はユダヤ人でなかったから。
そして彼らが私を攻撃したとき、
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。
これが非常におもしろいのは、
これでつぶそうとしている。
こないだは私は、ウォーレンさんもTPPは国家主権もなくすると言ってると言ったら、ウォーレンさんというのは労働組合を支持されてる人じゃないですか。
そういうような形で人をレッテルを張って、排除していく。
今、我々は何がそのものの本質、何が重要かであることを見る、
だれが話したかではなく、話されている内容が正しいか、正しくないか、それを自分で見極め、それを少しでも多くのひとにつたえていってほしいと思います。
ひとりひとりの国民が動く時期にきていると思う。
(略)
民主主義というものは与えれるられるものではない。
じぶんたちの力で民主主義というものを守っていき、築いていく
日本はラッキーなことにこの努力なしに米国によって日本国憲法をもらった。
すばらしい憲法をもらった。
しかし、自分の力でとったものではない。
今、自分の力でこれを守り抜けるかどうかが問われていると思います。
どうもありがとうございました。
拍手、拍手・・・・・
このあとパレードがありました。