自民党の憲法草案を読み解く(2) 憲法9条

回の続きです。
6月26日の朝日新聞参照。18面~21面
 
自民党草案で、現行憲法とがらりと性格が変わるのが「戦争放棄」を定めた憲法9条
現行憲法自民党の草案とを読み比べてみてください。
 
現行憲法 第二章 戦争の放棄
第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため 陸海空軍その他の戦力は これを保持しない。 国の交戦権は これを認めない。
 
 
この憲法9条がどのように変わっていくのか、自民党憲法草案と比べてみましょう。
憲法第二章のタイトルも「戦争の放棄」→「安全保障」に改められている。
 
第二章 安全保障
第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。(永久にこれを放棄する → 用いない)
 
次の条項↓を新たに付け加えた
2.前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
 自民党の解説では自衛権集団的自衛権が含まれている。)
 
 
現行憲法の第二項(②前項の目的を達するため 陸海空軍その他の戦力は これを保持しない。 国の交戦権は これを認めない)をまるまる削除
 
以下は「新たに作った第二項」↓
第9条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
 
国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
 
国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
(→海外で武力行使が可能)
 
④前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
 
国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪または国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合において、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
 
(領土の保存等)
第9条の三
国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない
(→ 国防への国民の協力 →徴兵制への道
 
 
 「戦力不保持」が消えてしまった憲法になってもいいですか。
この先、今の子供たち、赤ちゃんが大人になってから、銃をかついで戦場に行くことになってもいいですか?
 
 
ぜひ、次の本を読んでみてください。
「われ自衛隊を愛す 故に憲法9条を守る」(かもがわ出版)1470円
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