青木理さん講演会「秘密保護法と「戦争立法」

5月9日に「秘密保護法廃止をめざす藤沢の会」主催の「秘密保護法と戦争立法」という学習会を行いました。
講師はフリージャーナリストの青木理さんです。
 
秘密保護法、集団的自衛権、戦争法案とぶっそうなものが次々に出てきて、安倍政権は憲法の明文改憲まで暴走を止めそうにもありません。
でもそのまま走らせておくわけにはいきませんが、戦争法案の閣議決定を前にして、秘密保護法成立のとき、集団的自衛権閣議決定のときのような盛り上がりが今、みえません。
 
5月から6月にかけて国会行動、集会が目白押しになっていますが、メディアの委縮もあって、報道されないことも多く、日本が戦争できる国に突き進んでいることがよくわからないという人も多いと思います。
そのためには私たちが勉強して、よくわからないという人たちに伝えていかねばならないのではないかと思います。
今日は秘密保護法、戦争法案がどれだけ危ないものかということを理解し、まわりに伝えられるようになりたいと思っています。
 
 
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青木理さんのお話が聞きたいと思った人たちで会場はいっぱいになり、用意していた机や椅子ではたりなくて、急遽足さねばならないほどでした。参加者は110名でした。
 
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この日の青木さんのお話は「秘密保護法廃止をめざす藤沢の会」のHPに動画がアップされています。
ぜひ、聞いてください。
 
青木さんに質問という形式で、お話を伺いました。
 
最初の質問は秘密保護法について
秘密保護法が去年の12月10日施行され、早速イスラム国によって後藤健二さんと湯川はるなさんが殺害された事件において、秘密保護法を理由に情報公開がなされなくて、政府の対応が適切だったかどうか、政府の責任の検証はもうなされていません。政府に都合の悪いことは隠そうとしています。
○戦前の治安維持法と 特定秘密保護法は同じなのか、治安維持法とは違うものなのか?
特定秘密保護法の中で、適正評価というのがあるが、それは私たちにどうかかわるか?
 
○また通信傍受法はすでに閣議決定されて国会にも提出されているが、安全保障法の審議に隠れて、報道されていないが、通信傍受法、すなわち盗聴法について。
 
次の質問は戦争立法について
○戦争立法については、非常にわかりにくい。
 戦争立法とはどういうものか、教えてほしい。
 たとえば、武力行使の3要件についての判断材料はすべて秘密となっていると、国会など国民はどういう風 に関与できるのかさっぱりわからない。
 
○司法取引について
 
イスラム国人質事件について
 
○秘密保護法でジャーナリストのみなさんが裁判を起こしているので、それについて
 
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青木さんのお話は質問を踏まえて、次のような内容を中心に話されました。
 
特定ひみつ保護法の正体
  特定秘密保護法を作ったのはだれか? 誰が作って誰が一番得をするのか。
  内調=警備公安警察の別動隊
  適正評価について
 
盗聴法について
 
警備公安警察の過去と現状
  失態と組織縮小に喘いでいた組織
  特定秘密保護法で権益を大幅拡大
 
特定秘密保護法に蝕まれる民主主義
  いったい何が起きるか
  委縮する情報源とメディア
 
 どのような事態を真に恐れるべきか
 戦後初の自衛隊員の戦死者とテロ
 
司法取引について
 
イスラム国による人質事件について
 
秘密保護法についての裁判
 
 
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特定秘密保護法の怖さについて (お話の最後の方。動画をみてください)
 
特定秘密保護法が施行されても、今のところそれほど変わっていない。日常の取材活動も変わっていない。
しかし憂慮していることは
情報源が委縮、メディアも委縮。世の中に流れる情報が減る。
減れば減るほど、私たちが判断する材料が減る。
この法律は明らかに委縮させるもの。
重大な民主主義の危機。
 
安保法制と戦争立法がセットになったとき。
基本的にアメリカの世界に繰り広げられている戦争にパシリとしてついていく。
後方支援といっても拡大に危険なところにいく。
いずれ戦死者が出たとき、殺し、殺される日が来たとき。
どんな新聞になるのか。
メディアが感情的になる。異論が言いにくい状況になる。
 
これまで以上にアメリカといっしょになって世界の戦争に行くことになると
アメリカに対するような憎しみを日本も受けることになる。
テロの危険。
テロを防止のためにすることを警察は何もかも秘密にするのではないか。
このとき、秘密保護法は本領を発揮する。
誰もあらがえない。誰も何も言えなくなる。
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会場のからの質問からふたつ。
○ヤングの人たちに伝えるにはどうしたらいいか
戦争というのは何なのか、もっときちんと伝えていかねばならない。
戦場とか戦地などの硬派のニュースを伝えるニュース媒体がだんだんなくなっていっている。
民放はバラエティ番組ばっかりになっている。
安保法制とは何かということを伝える場がなくなっている。
ヤングに戦争とはなんなのだ、安保法制とはなにかを伝える番組がなくなっていっている。
 
言葉の置き換えがきになる。
外国軍の後方支援するための自衛隊を恒久的に出す法律を国際平和支援法
福島みずほさんが戦争法、と言ったら、撤回を申し入れたが戦争立法そのもの。
武器輸出3原則→防衛装備移転3原則
武器→防衛装備
輸出→移転
言葉の置き換え
 
ジョージ・オーウェルのSF小説「1984年」近未来の超管理国家の 超統制国家を描いたSF小説
独裁者の党のスローガン
戦争は平和
自由は屈従
無知は力
 
今の状況とかなり似ている
戦争は平和なのです。
無知は力 → 特定秘密保護法 
 
知らなくても、知らされなくてもすんでいる状況になっている。 
市民の交流、活動の中で伝えていくことが大切。
若い人たちに、今、起きていることはどんなに危険なことかを伝えていかねばならない。
 
○メディアの委縮について
メディアをどう守るか
 
メディアの状況はかなり危機的。
知識人の転向はジャーナリズムの転向から始まる
転向はおきている。
委縮だけでなく 忖度する。
あるいは一部の新聞社、系列のテレビ局では政権批判はみられない。
かろうじてみられるところはバッシングを受ける
メディア不信もある。
完全に政権の応援団になっているところがある。
 
どうすればいいだろうか。
NHKがだめだというのは簡単だけど、数は少ないけど、いい番組はある。
朝日新聞もいい記事がある。
新聞は署名記事が多い。
新聞でもテレビの番組でも書籍でも
いいものがあったら応援してほしい。
メールしてもいい。この記事を書いた記者はいいとか
この特集番組はよかったとFAXやメールをおくったらいい。
積極的に応援したらいい。
メディアは僕らと市民のみなさんで作る公共性というものがある。
よかったら応援して、いいものはいいよ、と
メールで送ったり、ツイッターで言ったり、ブログに書いたりしてほしい。
非常に励みになる。僕自身がそうだから。
今日の叱咤激励をうけて、明日からまた
盗聴法のこと、特定秘密法のこと 安保法制のことをコツコツ書いていくので
みなさんも頑張っていただいて、機会があれば応援をしていただければ。
今日は、多少でも参考になれば幸いです。
 
青木理著書紹介 「青木理の抵抗の視線」
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講演を聞いた方の感想は「青木さんのお話はわかりやすい」「事態が進んでおり危機感を感じる」
「秘密法の怖さを理解できた」「質問形式もよかった」 などでした。
 
青木さんのお話を聞いて、
秘密保護法が施行されてしまって、このままいくと日本は大変な国になっていく、多くの人が無関心で、自分には関係ないと思っている間に、事態は進んでいて、引き返せないところに行きそうでとても心配です。メディアの委縮から情報が減り、知らなくてもすんでいる人々が多くなっている現状が不安で、この日の学習会でわかった危機的状況を発信していかねばならないと思いました。
 
 
秘密保護法廃止をめざす藤沢の会のHPからぜひ、青木さんのお話を聞いてください。
80分にわたる動画ですが、とても興味深い内容です。
もう一度URLを書いておきます。
 
青木さんのお話を聞いて、秘密保護法、戦争法案(立法)の怖さをまわりに知らせて、今が戦前になるのをみんなの力でなんとか食い止めましょう。
 
署名、カンパも集まりました。 ありがとうございます。
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